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1-1 あるメギド人が死ぬまでの証言



カツン カツン。

彼らは恐れてなどいなかった。
それどころか悲しみも苦しみも、罪悪感、負の感情など微塵も沸いていないようだった。
自分たちの足跡が真っ赤なのも当たり前のように、ただ前だけを見て歩いて来る。
城の大回廊を抜けて玉座の間へ---
死神…?

「いいかっ!これが最期だ!奴らにメギドの誇りを見せてやれ!」

そう言って剣を持ったじゃないか。
陛下をお守りしようと誓ったじゃないか。
なんで震えてるんだ。

帝国の奴ら…殺す…


カツ カツ カツ


足跡が聞こえる、あいつらだ…

あいつら…何人いる…?
チラッと壁から回廊をのぞく。
わからない。
黒い塊が動いて見えた。
人なのか…?
いや、月の化け物どもかもしれない。

殺されるのは俺たちか…?
また震えがはじまる。


「まず俺があの真ん中の人型のヤローを刺す。
殺せるかどうかは、わからねー。
いいかお前らはその隙に何人でもいい、刺せるだけ刺せ」

大佐が俺の顔を見ながらそう言った。
大佐の顔から、奇妙な汗が流れた。

この人は死ぬ気だ。
それは俺たちにも痛いほど伝わった。

死ぬのはわかっている、ならば殺せ。
道連れを…
道連れが、道連れが必要なんだ。
メギドの血は帝国の血で洗ってやる。


カツカツカツカツ。

来るっ!
あいつらが!
大佐っ!!

ギャツッ

大佐が切りかかった後、飛び出した俺が見たものは奇妙な光景だった。
遠く黒い塊に見えたものが、目の前にあった。
やはり月の化け物…!
後ろの奴らの姿は蛇やらうろこやら、気持ち悪いものがうじゃうじゃしていた。
全部で3,4匹の化け物、その真ん中のほうに黒い服の男が立っていた。
こいつは人に見える…がその顔の左半分は粘土のようなもので覆われ、首筋から見える左半分の皮膚は一度解けて固まったように崩れ、どす黒い紫色だった。
しかし黒髪から覗くその男の右半分はまとっている黒衣と対照するせいか何も書かれていない紙のように白く、目は透き通った青色だとしっかりわかった。
人に見えるのはこいつと…
ああ、大佐はこいつに飛び出したんだろう。

自分も切らなければ…!!
一人でも殺さなくては!
しかし…

年はいくつくらいだろう、まだ子供だった。
明るすぎる金髪の子供だった。

シュッ。

大佐は、こいつが---
一瞬の出来事だった。
大佐は喉から血しぶきをあげながらガタガタと倒れていった。

「ううわああ」

後ろから仲間が悲鳴にも似た声を上げながら、次々とそいつに向かっていったようだ。

子供はひらと飛びかわすと、この回廊にグジュグジュという耳障りな汚い音と、波のようにすがすがしいほどの鮮血が回廊に舞った。

痛い…?
自分の体がぼろぼろと崩壊していくのがわかる。
かつて自分の体だったものがこぼれる。

自分は血の海の中にいた。
何が自分なのか仲間なのかわからなかった。
殺された…?


「アレイスタ様、お怪我は?」
「……結構。」

カツ カツ カツ


殺された、殺されたんだ。
何にもできなかった。
いや、何もできなかったはずだ。
あいつらは人を殺すために生きている。

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